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大規模修繕の豆知識

マンションの大規模修繕で起こりやすいトラブルは?トラブルの回避方法も詳しく解説

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マンションの大規模修繕では、居住者や近隣住民、施工業者との間でトラブルが起こる可能性があります。修繕積立金の不足や一時金徴収、居住者との協力問題など、さまざまな問題に対応しなければなりません。そのため、スムーズな進行には事前に対策を立てて、各関係者との信頼関係を築くことが必要です。

本記事では、マンションの大規模修繕で起こりやすいトラブルや、その対策について解説します。

マンションの大規模修繕で起こりやすいトラブル

マンションの大規模修繕を実施する際には、さまざまなトラブルが起こることが予想されます。トラブル発生時に冷静な対応ができるよう、大規模修繕で起こりやすいトラブルを把握することが重要です。

修繕積立金の不足に関するトラブル

マンションの大規模修繕には高額な費用が必要になりますが、修繕積立金が不足するケースが少なくありません。一時金の徴収や修繕積立金の値上がりによって費用を捻出する際に、トラブルに発展するケースがあります。

居住者からの一時金の徴収

大規模修繕費用が不足した場合、一時金徴収は有効な手段ですが、トラブルも起こりやすいです。

一時金は金利がかからず迅速に資金調達できる一方で、居住者の負担が大きいため、反対意見や支払い拒否が生じる可能性があります。特に、一時金が高額な場合、資金が集まらず工事内容の変更や遅延につながるかもしれません。

また、一時金の徴収は居住者間の不満を生む場合もあります。そのため、事前に十分な説明を行い、理解を得ることが重要です。

修繕積立金の値上げ

マンションの大規模修繕で資金が不足した場合、月々の修繕積立金を値上げすることも有効な手段です。一時金の徴収と比べて、住民の負担が分散されるメリットがあります。

しかし、負担増加に反対する声が上がる可能性が高く、事前に十分な説明が必要です。居住者に納得してもらうには、工事に必要な資金データを提示した上で、値上げが必要な理由を丁寧に説明するのが良いでしょう。

また、資金が確保できるまで時間がかかるため、工事までに余裕がある場合にしか選択できません。

金融機関からの借入

大規模修繕費用が不足した場合、金融機関からの借り入れは現実的な解決策です。一時金徴収や修繕積立金の増額と比べ、合意形成がスムーズに進みやすい傾向があります。

また、借り入れによって工事前の資金不足のリスクを回避できます。ただし、金利が発生するため、返済計画を慎重に立てることが必要です。

住宅金融支援機構はマンション管理組合向けの融資も行っているため、利用することで負担を軽減できる可能性があるでしょう。

マンション居住者とのトラブル

マンションの大規模修繕では、居住者とのトラブルが発生する可能性もあります。大規模修繕は居住者が暮らしやすい環境を維持するために実施しますが、修繕の必要性を理解してもらえない場合は要注意です。

工事に対する協力への拒否

マンションの大規模修繕では、居住者の協力が不可欠です。しかし、工事中はエレベーターの利用制限や騒音の発生など日常生活に支障が出るため、不満を抱く住民もいるでしょう。

このようなトラブルの多くは、居住者への周知不足が原因です。工事の必要性が十分に説明されていなかったり、住民の意見が反映されていなかったりすると、非協力的な態度を取られる場合があります。

事前に十分な説明を行い、住民との信頼関係を築くことがスムーズな修繕の実施には必要です。

部屋の中を見られることへの抵抗

マンション大規模修繕では、バルコニーや窓付近の作業時にプライバシーの問題が発生する可能性があります。

窓の近くで作業する際にカーテンが開いていると部屋の中が見えやすくなり、住民が不快に感じる場合もあるでしょう。実際には見られていなくても、作業員の視線や動作によって「のぞかれた」と誤解される可能性もあります。

このようなトラブルを防ぐには、作業日時やカーテンを閉める必要性を事前に周知し、作業員にも居住者のプライバシーに配慮した行動を徹底させることが重要です。

入室が必要な作業に関するトラブル

マンションの大規模修繕では、ドアやサッシの交換、給排水管の補修などで工事業者が専有部に立ち入る場合があります。事前に通知し許可を得ても、入室を拒む住民とのトラブルが発生するケースがあるため注意しなければなりません。

工事業者が入室日時を一方的に決めるのではなく、住民の希望に応じたり、最小限の入室で作業できる方法を検討したりする配慮が必要です。

また作業員の服装や入室時の手順を細かく決め、不要なトラブルを防ぐようにしましょう。

施工会社とのトラブル

マンションの大規模修繕では、施工会社とのトラブルも問題となっています。特に施工会社の選定を誤ると、トラブルが発生しやすくなるため注意が必要です。適切な施工会社を選定するために、起こりやすいトラブルを把握しておきましょう。

工期の大幅な遅れ

マンション大規模修繕では、天候の影響などにより工期が大幅に遅れる可能性があります。

また、悪質な業者は故意に工期を延ばし、追加の人件費を請求することもあります。

トラブルを防ぐには業者の選定を慎重に行い、また業者に任せきりにせず、適切な監督体制を整えることが重要です。

施工費用の追加請求

マンション大規模修繕では、工事の途中や完了時に追加費用が発生する場合があります。事前調査では目視確認が中心のため、配管内部の劣化や給水ポンプの故障などは把握しにくいからです。

着工後に新たな修繕箇所が見つかった場合は追加工事が必要となり、当初の見積もりよりも費用が高くなる場合があります。追加請求があった際は不要な工事が含まれていないか、契約時の見積もりと照らし合わせて確認することが重要です。また事前に余裕のある資金を確保し、冷静に対応できるよう備えましょう。

悪質なコンサルタントによるトラブル

マンション大規模修繕では、悪質なコンサルタントによる談合が問題となる場合があります。施工会社と癒着して工事費用を不当に引き上げることで、発注者に経済的負担を強いるケースがあるためです。

また、管理会社が施工業者と結託している場合もあり、不要な工事が追加されることもあります。

談合を防ぐには複数の施工会社から見積もりを取り、内容を慎重に比較することが重要です。見積もりが相場よりも高額な場合は、即決せずに慎重に業者を選びましょう。

近隣住民とのトラブル

マンションの大規模修繕工事では、居住者だけでなく近隣住民とのトラブルが発生するケースもあります。特に騒音や臭気、ほこりなどが苦情につながりやすい要因です。

これらの問題は避けがたいものですが、近隣住民の健康に悪影響を及ぼすこともあるため、慎重な対応が求められます。工事前には説明会を開き、工事内容や期間についてしっかりと伝えましょう。

また住民が在宅しやすい土日祝日は、音を立てる作業を避ける配慮も必要です。このような配慮によってトラブルを最小限に抑え、近隣住民との良好な関係を維持できます。

修繕委員会のトラブル

マンションの大規模修繕工事では、居住者の中から修繕委員会を選出する場合があります。委員会は施工会社の選定や打ち合わせ、住民対応を担当しますが、委員数が少ない場合や多すぎる場合にトラブルが発生しやすく注意が必要です。

少人数にすると十分な意見が集まりにくく、計画が進まないことがあります。一方、人数が多ければ、意見がまとまりにくくなるため調整が必要です。適切な委員数はマンションの規模にもよりますが、おおむね5人程度です。年齢や性別に配慮して選出しましょう。

また広報活動を徹底し、住民全員が工事の進行状況を理解できるようにすることも重要です。公平性を保ちながら透明性も確保すれば、不満やトラブルを避けることができます。

空き巣被害

マンションの大規模修繕工事中には組立足場が設置される場合が多く、見通しが悪くなるため足場から侵入される空き巣被害が発生するリスクが高まります。対策としては、組立足場以外の吊り足場などの選択肢も視野に入れましょう。

特に工事期間中は作業員の出入りが多く、住民が部外者を識別しにくい状況です。そのため、防犯対策を強化しておかなければなりません。

具体的には、防犯カメラの設置や窓サッシ用補助鍵の貸し出し、人感センサーライトの設置などを必要に応じて行いましょう。また作業員にカラーベストや腕章を着用してもらうのも効果的です。

防犯対策の実施によって空き巣のリスクを減らし、住民の安全を守ることができます。また住民にも施錠の徹底を呼びかけ、協力を得られるようにしましょう。

マンションの大規模修繕でトラブルを回避するためのポイント

マンションの大規模修繕では、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。スムーズに大規模修繕を済ませるには、いかにトラブルを回避するかが重要です。

ここでは、大規模修繕のトラブルを回避するためのポイントを解説します。

大規模修繕について居住者に周知する

マンションの大規模修繕工事では、居住者への事前告知が重要な役割を果たします。

効果的な手段はエントランスに掲示板を設置し、工事の進行状況や変更点をリアルタイムで告知することです。工事に関心のない居住者にも自然に情報が伝わり、トラブルを防ぐ効果が期待できます。

また、各住戸のメールボックスに工事スケジュール表を投函し、文書で確認できるようにしましょう。この方法で情報の相違を防ぎ、誤解を避けられます。

施工会社からの告知もありますが、居住者との協力も大切です。トラブルを未然に防ぐため、十分な周知とフォロー体制を整えておきましょう。

近隣住民への事前説明を実施する

マンションの大規模修繕工事を行う際には、近隣住民への事前告知も重要です。工事のスケジュールや内容はもちろん、騒音や臭気の発生など、住民にとって不便になる点についても丁寧に伝えておきましょう。工事前にあいさつをして工事に関する連絡先を伝えることが、トラブルの予防につながります。

また工事車両の無断駐車を避けるため、マンション内に専用の駐車スペースを確保することも必要です。無駄なトラブルを避けるには近隣住民や周囲の環境に配慮し、施工会社とも十分に連携して進めるようにしてください。

長期修繕計画の見直しを実施する

マンションの大規模修繕は、長期修繕計画に基づいて実施されるのが一般的です。

しかし、時間の経過とともに予算や計画がずれる場合があります。特に、建物の劣化が予想以上に進んでいる場合は追加修繕が必要です。

また物価の上昇や人件費の高騰も修繕費用に影響を与えます。そのため、定期的に長期修繕計画を見直し、修繕積立金が不足しないように備えることが重要です。

瑕疵保険に加入している業者を選ぶ

マンションの大規模修繕でのトラブルを避けるには、業者が瑕疵保険に加入しているかを確認することも重要です。瑕疵保険に加入している業者は、第三者による施工前後の検査を受けるため、手抜き工事を防止できます。

工事に不具合があった際には保険金で修繕費用が賄われます。万が一、施工業者が倒産した場合でも保険金が支払われ、別の業者を探して工事を続行できるため安心です。

保証期間は通常5年間ですが、鉄部に関しては2年が一般的です。保証内容は保険会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。

優良業者に施工を依頼する

マンションの大規模修繕でトラブルを避けるには、優良業者に施工を依頼することも重要です。優良業者を選定するためのポイントを押さえておきましょう。

大規模修繕の成功実績があるか

マンションの大規模修繕を行う際は、実績の豊富な業者を選ぶことで工事をスムーズに進められます。

特に、人が住んでいる環境での工事では、居住者への配慮が不可欠です。過去に同規模のマンションでの施工経験が豊富な業者は、工期の延長や住民からのクレーム、近隣住民とのトラブルに対して適切に対応できるでしょう。

あらかじめ業者のWebサイトで過去の実績を確認しておき、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

保証やアフターサービスが充実しているか

マンションの大規模修繕工事後には、保証やアフターサービスの内容が重要です。業者によって保証内容に差があり、場合によっては短期間の保証しか付帯していないケースもあります。

特に、金額が極端に低い業者には注意が必要です。優良な業者は「大規模修繕瑕疵保険」に加入しており、工事後に不具合が発生した場合に補償を受けられます(※)。

また、この保険は業者が倒産した場合でも、保険金が支払われる仕組みとなっているのが特徴です。

※参考:国土交通省.「大規模修繕工事瑕疵保険」.https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/jigyousya/about_large_repair.html ,(参照2025-03-08).

現場監督との相性はどうか

マンションの大規模修繕では、現場監督との相性も重要な要素です。監督が管理組合の意見をしっかり聞き、適切に対応できるかどうかが工事のスムーズな進行に大きな影響を与えます。

施工範囲が広く工期の長い大規模修繕において、現場監督には高い対応力が求められます。監督が信頼できる場合はその指揮下で働く職人の技術も高いことが多く、工事の品質が保証されるでしょう。

マンションの大規模修繕でトラブルを回避するために対策しておこう

マンションの大規模修繕では、修繕積立金の不足や一時金徴収、修繕積立金値上げなどの資金面でのトラブルがよく発生します。また、居住者の協力を得るためのコミュニケーション不足や、施工業者との工期遅延、追加費用の請求などもよくある問題です。

これらのトラブルを避けるためには、事前に十分な説明を行い、居住者と信頼関係を築いておくことが大切です。

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